Feel Wind Orchestra

フィール・ウインド・オーケストラ


第23回定期演奏会 プログラムノート

~1STSTAGE~

 『フローレンティナーマーチ』

 

ご挨拶がわりにファンファーレと大砲をプレゼント。

ボヘミアのスーザと呼ばれたユリウス・フチークさん(写真)のグランドマーチ。フチークって誰よ?と思うでしょうね。剣士の入場は知ってますか?

ちゃんちゃんちゃららら ちゃんちゃんちゃーら♪…って音がないとわかりませんね。

フローレンに話を戻すと、出だしにガツンと魅せといて、中身は壮麗なグランドマーチ。中間部からのテンポのしかけをお楽しみ下さい。

 

 

『ヨークシャー・バラード』

 

ェームズ・バーンズさんのいぶし銀な佳曲でまったりして頂きます。

 

吹奏楽の定番アルヴァマー序曲で有名なバーンズさん。この方はゴルフ場とか公園とか、自分がいったことある場所を題材にするのがお好き。

このバラードは英国はヨークシャー地方への旅行から帰ったバーンズさんが、友人から「短くて簡単で小さいバンドで出来る曲をつくってくれ」と泣きつかれてできた曲。ヨークシャーデールズ国立公園(写真)という2,000k㎡の超広大な自然公園の思い出を音にしたとか。

とっっってもながーい、息のながーい旋律でして…「短くて簡単???」なのでしょうか。皆さんのなかの美しい光景を思い浮かべながら聴いてください。

 

『ドラゴンの年』

 

バラードでまったり眠気を誘ったところでガツンと、フィリップ・スパークさんの代表作。

カッコイイんです、憧れるんです、そしてビビッて腰が引けるんです。

イギリス連邦の一角、ウェールズの国旗(写真)に描かれた赤いドラゴンをモチーフにしています。世界史を紐解くと、ウェールズは長くイングランド王国の支配下にあり、ユニオンジャックに似ても似つかぬ赤い龍の旗は強い独立心の現れ、ウェールズの誇りなのです。

 

この曲はウェールズの名門金管バンド「コーリーバンド」の100周年!を記念した曲で、ウェールズと赤いドラゴンの旗への敬意が込められている曲なのです。

トランペットとスネアドラムによる静寂を切り裂くリズムに始まり、複雑なリズムと即興的な旋律が絡み合うⅠ.トッカータ。

荘厳なサウンドから一転してまどろみ、サックスやコールアングレの歌、静謐なコラールに天上へと誘われるⅡ.インタールード。

絶え間のない連符の波と格調高い主題に導かれ、やがてウェールズを高らかに讃えるファンファーレと祝砲が鳴り響くⅢ.フィナーレ。

 

ドラゴンの強さ、美しさ、気高さを描いたスパークの名曲をお楽しみ下さい。

(余談ですが、この曲、英国のブラスバンド大会の課題曲だったそうです…噓でしょ(*´Д`))

 

~2ndSTAGE~

 『オー・シャンゼリゼ』

 

はい、みなさんご存じのオ~シャンゼリ~ゼ~♪

パリのシャンゼリゼ通り(写真)を行けば弾む心のままに歌いたくなる。

なんでも元はイギリスのウォータールー・ロードって曲だったとかなんとか。

そんなウィキペディア調べは置いといて、今日は歌います踊ります?

 

 

 『キャラバンの到着』

 

フランス映画音楽の巨匠ミシェル・ルグラン。といってピンとくるかたは素敵な音楽人生。

シェルブールの雨傘、華麗なる賭けに並ぶ代表作「ロシュフォールの恋人たち」に登場するホット・ナンバー。

海辺の街ロシュフォールは祭りを前に騒めき、色づき、恋の予感に浮ついて。そんな空気を切り裂きやってきた一団、トラックやバイクに跨り、祭を取り仕切るキャラバンの男たち。

疾走するジャズ・ビートに乗せ、ぐいぐい吹き鳴らすトランペットをお楽しみ下さい。

 

『パヴァーヌ』

 

 こってり屋台料理のあとは、クラシック界のジョエル・ロブション~オーベルジュ「モーリス・ラヴェル」へご招待。冷たいオードブルに「亡き王女のためのパヴァーヌ~ボサノヴァ風カクテルソース」はいかがでしょうか。

 艶やかで物憂げなピアノソロを本日はフリューゲルホルン、オーボエ、ギター、トロンボーンのフルコースアレンジでお楽しみ下さい。

 

『シャンソンメドレー~モンマルトルの小径~』

 

芸術家に愛された小高い丘の街モンマルトル(写真)。居酒屋やダンスホールが軒を連ね歌やダンスに興じる歓楽街。

ムーラン・ルージュを始めとするキャバレーには画家やミュージシャン、作家など表現者が集いインスピレーションを高めあう。

その割には家賃が安くゴッホ、ルノワール、ピカソ、ロートレックなど多士済々が集い、享楽に興じたというから面白い。

モンマルトルの小径をぶらついてはシャンソンに包まれるパリ旅行(気分)をお楽しみに。

 

~3rdSTAGE~

『ラ・ペリのファンファーレ』

 

魔法使いの弟子の…というよりファンタジアの作曲者のほうが通じやすいのか。

ポール・デュカスが手がけた舞踏詩「ラ・ペリ」の前奏曲として作曲されたこの曲。演奏会の冒頭によく使われます。

 

『動物の謝肉祭』

 

シャンソン、ラベル、デュカスとフランス三昧のラストはサン=サーンスの代表作。

もちろんフランス人の彼はウィットとユーモアに富んだお茶目な一面が炸裂してしまったのか、

パロディとファンタジーにちょっとばかりの皮肉も織り交ぜたこの曲が最も有名な曲に。

真面目に取り組んだ交響曲よりも有名になってしまったことを悔いて、演奏禁止にしてしまったとか。

ライオンやぞう、鳥や魚、あげくに化石やピアニスト(人間≒サル?)まで登場。

 

~ライオン~

百獣の王らしい威厳に満ちた行進と咆哮、でもどこかとぼけた王様のようで。

 

~雌鶏と雄鶏~

そのまんまにわとりの鳴き声なんだけど…ケンカしてない?

 

~ロバ~

ぼーっとしたイメージなんだけど、危険を感じると爆走するんですって。

 

~カメ~

ゆっくりのんびりカメは行く。気持ちは駆け足行進曲なんだけど。

 

~ゾウ~

ゾウは踊る、ワルツを踊る、巨体をくるくると。

 

~カンガルー~

ぴょんぴょん跳ねる、ぴょんぴょんぴょんと。ぴょんぴょん3回跳ねる。

 

~水族館~

大きな大きな水槽に、色とりどりにキラキラと、魚は泳ぐ。

 

~耳の長い登場人物~

実はろば。ヒックヒックとしゃっくりのように、ろばは鳴く。

 

~森の奥のカッコウ~

見えないけど、奥のほうからカッコウカッコウと、どこにいるのか、見えないカッコウ。

 

~大きな鳥かご~

パタパタ羽ばたきピーピーさえずって、鳥たちは歌い飛び回る。

 

~ピアニスト~

ドレドレドレドレ、ドレミファソファミレド。ほんとはもっと上手く弾けるのに。ほんとうは。

 

~化石~

かつて生きていた化石も生き物。化石はコキコキ鳴らし、ロッシーニのアリアも上手に歌う。

 

~白鳥~

水面を優雅にすべりゆく、美しい白鳥。きらきら水面はかがやき、白鳥はとまったように、すべりゆく。

 

~終曲~

謝肉祭のお祭り騒ぎ。王様ライオンを先頭にやってきた、ろばに雌鶏にカンガルー、みんな揃ってお祭りだ。

 


 「メンバーによるブログ」のページでは、各パートの団員が本日の演奏会の見どころ・聴きどころや、演奏会準備の舞台裏などを紹介していますので、開演まで、ぜひそちらもご覧ください。