音楽は心のワクチン♪


  新年、あけましておめでとうございます。フィール・ウインド・オーケストラ団長の紺野です。オーボエパートからご指名を受けたわけではないのですが、団長権限で(笑)バトンを奪い取り、一言、新年のご挨拶を申し上げます。

 

 先日、福島市音楽堂で開催されたプロオケのコンサートを聴く機会がありました。予定されたプログラムがすべて終わり、次はお決まりのアンコール!というところで、突然コントラバス奏者の方がマイクを握り語り始めた内容が印象的だったので、ご紹介します。

 アンコールの曲目を紹介したあとに…「音楽は心のワクチンです。コロナ禍を乗り切るためにはなくてはならないものです。でもワクチンなので当然副作用があります。その副作用とは…『また聴きに来たくなる』という副作用。ですからまたコンサートに来てくださいね。」といって演奏会を締めくくりました。文字にしてしまうとちょっとキザな感じに思われるかもしれませんが、「音楽は心のワクチン」という言葉にとても救われた気がしました。新型コロナウイルスへの対策が長期間に及び、「自粛」や「不要不急」という言葉によって世の中に閉塞的な雰囲気が広がって、知らず知らずのうちに自分のなかに、音楽を楽しむことへの罪悪感のようなものを感じていたのかもしれません。

 そういえば、東日本大震災のときもそうでした。3月11日の東日本大震災と、その後の原子力災害で世の中は自粛ムード一色でした(TVのCMがすべてACになりましたよね)。余震が続く4月、我々は5月に予定どおり定演をやるべきか悩んだ末に、プログラムを大幅に変更し入場料無料のチャリティーコンサートとして開催しました。結果、会場はほぼ満席となり、多くのお客様から感謝と励ましのメッセージが寄せられた忘れられない演奏会となりました。

 

 現在フィールは、特別措置法の規定に基づく福島県からの協力要請に従い、年始から2月7日までの活動を休止しています。その後の活動の見通しも依然不透明です。でも「音楽は心のワクチン」。今はなかなか集まることはできないけれど、いずれこの「ワクチン」が必要とされる時が来るはずです。ならば、来たるべきその時に向けて、できることを探して取り組む。着々と準備を進める。今年はそういう年にしたいと思っています。もちろん感染症対策を万全にして。ですからこのブログを読んでくださった皆さん、「その時」がきたときにはいつでもお声かけください。どんな小さな演奏依頼でもお待ちしています!